経済指標過去データ
IBMはビッグデータにいち早く取り組んできたベンダーの一つです。ビッグデータとは、典型的なデータベースソフトウエアが把握、蓄積、運用、分析できる能力を超えたサイズのデータのことを言いますが、その8割は非構造化データが占めると言われています。 例えば一般のオフィス文書や電子メール、写真や画像などは、非構造化データです。YouTubeやTwitterの投稿もそうです。世界中で1分間に、YouTubeなら48時間分の映像が、Twitterには10万件の投稿が、Facebookには68万件の投稿が行われていると言われています。今この瞬間にもデータが作られている。今という時代は、単に量だけでなく、ものすごい速度で多様なデータが絶え間なく生み出されている時代です。逆に言うと、そういう曖昧な情報の中からいかに正しい情報をすくい出していくかが大事になってきているということです。
我々がISM製造業景況指数の予測に取り組んだのも、そういう理由です。
ニュース記事で予測の精度を高める
──米国のISM製造業景況指数の予測にニュース記事を使ったということですが、具体的にはどのように予測を出しているのですか。
ISM製造業景況指数というのは、全米の製造業300社以上の購買担当役員へアンケートを行い、その結果をもとに発表している企業の景況感を示す経済指標です。アンケートは、新規受注、生産、雇用、入荷遅延、在庫の5項目について、前月と比較して「良い」「変わらず」「悪い」から選択してもらい、結果をパーセンテージで表示し、50%を上回ると景況が良く、50%を下回ると悪化していることが示されます。前月と比較して「良い」か「悪い」か、あくまで購買担当役員の主観的意見を聞いている調査なんですね。
しかし、重要な景気指標であることから、発表前になるとアメリカの経済紙はアナリストたちを雇ってISM製造業景況指数の予測を必ず出すわけです。そのとき判断材料にするのは、過去の景況指数のトレンド、ISMに影響を与えそうな他の経済指標、それから新聞やWebのニュースです。それを我々は、IT化することに、今回チャレンジしました(図1)。
当然、過去のISM製造業景況指数や他の経済指標はデータとしてありますから、それはそれでコンピューターに入れます。過去のISM製造業景況指数と過去の似たような経済指標の動きからある程度予測はできますが、今回はそれだけではなくて、過去30年分ぐらいのニュース記事を集めてきて、それも予測のデータの一つとして加えました。
過去の経済指標というのは、データの形の決まった「構造化データ」ですが、ニュース記事というのは「非構造化データ」と呼ばれるただの文章の集まりです。構造化データに、ニュース記事のような非構造化データを分析した結果を加味することで、将来の景況指数を高い精度で予測することを可能にしたということです。
──ニュース記事の分析というのは、どのように?
──しかし、なぜニュース記事を加味すると、予想が正確になるのでしょうか。
先ほども言いましたが、ISM製造業景況指数がアンケート調査だからです。判断に人の感情的なものが入っているので、よりニュース記事に影響を受けやすいということだと思いますね。これが毎月第1金曜日に発表される米雇用統計だったら、例えば、定義に基づいた「失業率」を算出しているだけですから、ニュース記事とこれほど相関するか、実際にやってみないとわからないですね。
少なくともISM製造業景況指数にはニュース記事が合っていたということで、その予測に合ったデータを見極めるのが、ビッグデータを使った予測には大事なことです。モノが売れる売れないというところでは、ソーシャルメディアが敏感に反応します。Twitterで盛り上がることで、はやった例としては「食べるラー油」がありますが、ビッグデータを活用すると、こうした誰でもわかるようなものではなく、今までは気付かなかったようなキーワードも見つけることができるはずです。
実際はニュース記事やテレビの番組が売り上げに影響しているものなどがあるでしょうが、新聞記事もデジタル化されていますし、テレビもエム・データが番組の内容をデータ化している。今回と同じような考えで、それを予測に使うことも可能でしょうね。ただ、大事なのは、その物事と相関の高いビッグデータを見つけるということだと思います。
ビッグデータを扱えるようになったのは最近
──新聞記事のデータベースはWebができる前からあったと思うのですが、今までなぜ予測に使われなかったのでしょうか。
──なぜ、それができるようになったのですか。
クラウド技術が発達したからです。ISM製造業景況指数を予測するソリューションも、IBMのクラウド・サービス「IBM SmarterCloud」を利用することによって実現しています。要するに、コンピューターに負荷のかかるテキストマイニングの処理をネットワーク上の多数のコンピューターで並列処理しているわけです。
私自身も、株価とソーシャルメディアの書き込みの関連性を分析したことがあります。扱ったのは、2億件ぐらいのTwitterのデータです。これを、たとえば10年前のテクノロジーで分析すると1年ぐらいかかってしまいます。それを今はクラウド技術で1日で結果が出るようになっているんですね。
アメリカ・ADP雇用者数 05月
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