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取引チャネルを刷新

取引チャネルを刷新
今後はこれまで同様、事業戦略全体をリードしながら、取締役 COOとして日本でのビジネスの成長をさらに加速させ、コーポレート・ミッションである「Empowering Smarter Lives」の実現を力強く推進して参ります。

取引チャネルを刷新

2001年6月に創業した東京スター銀行は、資産形成のための情報とアドバイスの提供に特化した新しい形態の銀行店舗「ファイナンシャル・ラウンジ」を全国主要都市に展開しています。地銀という枠を超え、グローバルに通用する銀行を目指したユニークな事業活動を行っており、特にリテールバンキングの分野については、顧客にとっての一般的なメインバンクではなく、資産管理領域にかかわるメインバンクとしての役割を担っていくことを事業のミッションに据えています。
このようなコンセプトに基づき、かねてより同行では、顧客の感心を惹くユニークな商品・サービスの提供に努めてきました。そうしたなかで重要なテーマとなったのが、商品・サービスの独自性に依存した “プロダクトアウト” 的な手法から脱却し、長期的な視点で顧客とのパートナーシップを維持していくことでした。
そこで同行では、リテール分野の顧客戦略にかかわる見直しを実施しました。マルチチャネル、オムニチャネルに対応した、クロスセルやアップセルといったシナリオに基づく新たな CRMプロセスを確立するとともに、それを支えるシステムの構築を目指すことにしました。具体的には、データ分析領域のデータベースに Teradata 取引チャネルを刷新 を、フロント側の CRMアプリケーションに Microsoft Dynamics CRM をそれぞれ採用し、既存システムを刷新しています。

CRMシステムの構築にあたり、同行がゴールに据えたのが、“顧客のライフタイムバリューを最大化すること” です。この実現に向け、顧客をより深く、よりタイムリーに知ることで、適切なケアを施していける仕組みの整備を目指しました。
新たに構築された CRMシステムでは、各支店の営業、コールセンター、インターネットバンキングなど、すべてのチャネルにおける顧客とのコンタクト履歴に関する情報を一つに統合しました。Teradata と Microsoft Dynamics CRM をリアルタイムに連携することで、顧客口座における大口の入出金や投資信託などでの大幅な損益の発生といった「取引情報」や「イベント情報」を捉え、「コンタクト頻度情報」や「案件確度情報」などを踏まえたターゲットリストを、フロントチャネル側の営業担当者などが必要に応じて作成できる仕組みを構築しました。また、契約店舗以外の窓口でお金を引き出すなど顧客の行動に変化が生じた際には、それを本部や支店にアラートとしてリアルタイムに伝えるといった仕組みも整備しました。これにより、解約などの予兆を的確に捉え、契約維持に必要な対処が迅速に行えるようにしています。
一方、顧客のケアに関しては、コア顧客、準コア顧客に対してある一定の期間内に必ず 1度は営業担当者が直接コンタクトをとり、解約・乗り換えの防止、アップセルやクロスセル機会の最大化を図るというスキームを確立しています。そうした活動を支援するような機能も CRMシステムに整えました。例えば、仮に営業担当者からのアクセスに対し顧客が不在のケースでも、不在情報をコールセンターに伝え、日時を変えてコールセンターから代理でフォローアップコールを行い、さらに不在の場合には、DM を送付の上、再度コールセンターからフォローアップコールを実施するといったプロセスを実装しています。
CRMシステムの整備により同行では、各チャネルを横断した顧客 “足取り” の把握や、個々の顧客ニーズをタイムリーに捉え、それに応じた商品・サービスの提案や適切なフォローアップを実現し、リテンションの強化にもつながっています。
今後も同行では、今回構築した CRMシステムをさらに進化させていく計画です。例えば、直近の取り組みとしてすでに着手している、データ分析に基づくターゲットリストの作成作業やチャネルデリバリーの自動化もその 1つです。また、スマートフォンやタブレット端末に対応した Webチャネルの強化にも注力していく予定です。こうした施策は、特に若年層の新規顧客を獲得していくカギとなるはずです。

(本事例は、国内最大級のデータウェアハウス&データ活用コンファレンス「Teradata Universe Tokyo 2013」のセッションで発表された内容です。)

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