これを人件費率といいますが、人件費率が90%を超えていれば、その他の費用を払いきれていないでしょうし、50%以下であればよほどその他の支出が多くない限り、利益が出ていることが多いでしょう。自分たちのステーションの適正な人件費率を知っておくことが大切です。
収益構造とは
前回の終わりで、次回(今回)は「 FIP 制度に移行することにより新たに発生する費用」について述べたいと記載いたしましたが、費用部分のお話は次回に回させていただきます。ここでは FIP 制度の根幹部分の内容が 2021 年 2 月 収益構造とは 26 日に経済産業省においてとりまとめがありましたので、ここではそれを先に共有したいと思います。内容は盛りだくさんですのでここでは発電事業者の収益に関連しそうな FIP 制度内容の要点のみを記載したいと思っております。これまでの記載とかぶる部分もありますがご了承ください。
◆要点 1 → 環境価値の売却が FIP 発電事業者は可能になりました。
FIT 発電所のもとでは、環境価値は国民の支援を受けているという整理のもと、発電事業者側にはないという事になっておりました。ところが FIP 電源に関しては環境価値は発電事業者側に残し、それを市場又は相対で売却できるという事になりました。つまり環境価値は発電事業者がその努力によって高く売れば売るほど収益状況がよくなる仕組みになっています。
FIP 電源の環境価値=非 FIT 電源の環境価値
◆要点 2 → FIP 電源は下げ調整力として利用する事が可能になりました。
来年度導入予定の需給調整市場において FIP 電源の下げ調整として利用できるようになります。需給調整市場は送配電事業者の執り行う入札によって募集することになります。そのまま売電した方がいいのか、需給調整市場で入札した方がいいのかを選択することになります。売却する選択肢が増えるという面ではメリットと言えるかもしれませんが変動電源(太陽光、風力)のみを対象とする場合は効果は限定的でしょう。
◆要点 3 → FIPプレミアム(市場プレミアム)とは別のプレミアムがつく。
FIP制度下では発電量の予測をし、計画発電量を広域機関に届け出を行いますがそのバランシングコスト名目として 1 円 / KWh(毎年漸減)を新たな収入源として受領することができます。もちろんこの中から実際のバランシングコスト分の負担が生じますが、それを最小限にとどめる事で FIT にはない新たな収入源を確保する事が可能です。これはとても大きな収入アップの要因です。
◆要点 4 → 中規模新規 FIP 電源は入札ではない。
新規 FIT 電源の設備認定取得において 250KW 以上は入札によって新規買取価格が決まるが FIP 電源では定格出力 250 ~ 1000KW の範囲内であれば、入札ではなく FIP 価格が固定されています。これは認定を取る上において大きなアドバンテージになるのではないかと思います。入札に比べて FIP 価格を高く設定できる可能性が大きくなるという面では収益最大化に寄与すると言えるでしょう。
◆要点 5 → 事後的な蓄電池併設可能、買取価格は不変
2022年度以降の認定 FIP 発電所については、パワコンよりパネル側の蓄電池新増設を基準価格の変更なしに認める。これは FIT 時代には認められていなかったもので FIP 電源の優位な部分であると思います。 2022 年から直ちに蓄電池をつけるという案件も少ないと思われますが蓄電池の投入が一般化した時には大きな収益をもたらすことが想像できます。
以上、 FIT から FIP に移行することによって何がどう変わるのかを説明いたしました。FIT制度下では国の制度の中で身動きを取れないくらいがんじがらめに規則で縛られていた発電所でありましたが、しかし決まった固定価格での収入がほぼ保証されていた発電所というイメージがありました。一方 FIT から FIP 収益構造とは に移行することによって発電事業としての当たり前の義務は課されるものの、環境価値や管理プレミアム、一部発電規模での非入札方式であったり、将来的には蓄電池増設による収入アップが図れる等制度の柔軟性が飛躍的に高まっているのではないかと思います。FITという固定された収益をただ受け取るだけの世界から、発電事業者としての責任と義務を全うし、自らの努力次第で収益を増加させることが可能になる FIP を選択するか、電力自由化の真っただ中にある我々にとってどの道を選ぶかはこれからの大きな課題だと思うのです。それでは上で述べた努力次第の努力っていうのは何かという事です。
それは FIP で課された当たり前の義務を如何に低コストで仕上げていく事ができるかに尽きるのだと思います。これまで述べてきたように FIP 発電事業者には毎日の発電量報告が義務化され、それによるインバランス負担を求められるようになります。これを如何に低コストで遂行できるかに尽きるのです。株式会社ゼックパワーではドイツインパワー社の 15 年に及ぶこれまでのドイツでの実績を背景とした VPP システムを構築しており現在も日本 FIP 仕様への改変作業を進めています。
FITから FIP 電源に移行した際に、収益がどのように変わるのかがわかるような、過去の発電量をもとにシミュレーション(試算)するサービスを提供する予定です。興味のある事業者様は是非お問い合わせください、無料で試算いたします。
株式会社ZECPOWER(ゼックパワー)
〒104-0032 東京都中央区八丁堀2-7-1八丁堀サンケイビル
担当:南(みなみ)/ 永井(ながい)
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